予防接種
予防接種
予防接種は、毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素をあらかじめ接種しておくことで体の中にその記憶を残しておき、いざ本当の病原体が入ってきたときに素早く体が反応して、病気にかからずにすんだり、軽くすませたりすることができます。
生後2か月から予防接種を開始できます。
予防接種を希望される方は、予約が必要になります。接種1か月前から予約が可能です。Webからの予約をお願いしていますが、電話でも予約可能ですので、ご不明な場合はお問い合わせください。2か月~1歳の予防接種はクリーンタイム(14時~15時)での予防接種をおすすめしています。
肺炎球菌は乳幼児の肺炎や髄膜炎、中耳炎を起こしますが、いくつかの型があります。小児用肺炎球菌ワクチンは15の型の肺炎球菌に有効で、ワクチンのつきにくい乳幼児にも効果があります。
初回接種
生後2か月から開始。3~8週間隔で3回接種。
追加接種
初回接種終了後60日以上あけて生後12か月以降に1回接種。5歳未満は公費(無料)です。
五種混合ワクチンはジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、インフルエンザ桿菌のワクチンが一緒になったワクチンです。
ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。
百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。
破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。
1期
生後2か月から開始。3~8週間隔で3回接種。
1期追加
1期終了後6か月以上(標準的には1年から1年6か月)あけて1回接種。
B型肝炎ウイルスに対するワクチンです。感染がつづくと慢肝炎、肝硬変や肝がんになることもあります。母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合には出生した赤ちゃんへの感染予防のために生後12時間以内、1か月、6か月時の3回投与が保険診療で行われます。
生後2か月から接種。初回から4週以上あけて2回目、さらに20~24週あけて3回目を接種。
BCGは結核菌に対するワクチンです。結核は成人では肺結核の長引く咳や熱が有名ですが、粟粒結核や結核性髄膜炎といった重症の結核から乳幼児を守るために行われています。
標準では生後5か月から8か月に接種します。1歳までに接種しましょう。
麻疹は発熱、発疹から肺炎や脳炎などの合併症をきたす疾患で、非常に強い感染力があります。風疹は“3日はしか”とも呼ばれた発熱、発疹をきたす疾患で、妊婦が感染すると赤ちゃんに重篤な障害が出る可能性があります。
1期
生後12か月から2歳未満
2期
小学校入学前の1年間(4月1日から3月31日まで)
水ぶくれをもった赤い発疹が全身に広がり、重症化することもあります。帯状疱疹も同じウィルスが原因で発症します。
1歳から3歳(標準では1歳から1歳半)までに3か月以上(標準では6か月から1年)あけて2回接種。
日本脳炎ウィルスを保有する蚊にさされることで感染し、急性脳炎を引き起こします。半数程度の方が後遺症を残す、治療法のない重篤な疾患です。
日本での発症は少ないですが、東南アジアなどで流行があります。日本小児科学会では日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月からの接種を勧めています。
1期初回
3歳になったら6日以上(標準的に6~28日)の間隔で2回
1期追加
1期初回終了後6か月以上(標準的には1年)後に1回(7歳6か月までに)
2期
9歳から13歳未満までの間に1回
四種混合ワクチンに入っているジフテリアと破傷風について追加接種します。
11歳以上13歳未満(標準は11歳以上12歳未満)に1回接種。
ロタウイルスは胃腸炎の原因となり、下痢、嘔吐、腹痛、白色便(白色でないこともある)といった症状がみられ、小さい子ほど脱水になり重篤な状態になり、点滴が必要になることもあります。胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
ロタウイルスワクチンは1価のロタリックスと5価のロタテックの2種類があります。両方とも生ワクチンで4週間の間隔で内服します。(経口摂取)。どちらか一方のワクチンだけを内服し、両者の混合、または交互に内服することは行いません。
ロタリックス(1価)は生後24週までに2回、ロタテック(5価)は生後32週までに3回、生ワクチンを飲みます。初回は14週までに始めて、4週以上あけます。
ロタウイルスワクチンの内服後(特に初回接種の1週間以内)に、腸重積の発現率が高いと言われており、頻回の嘔吐やイチゴジャム様の血便があれば、直ちに医療機関を受診しましょう。
おたふくかぜの症状は発熱や耳下腺腫脹が特徴です。髄膜炎や難聴を合併したり、思春期以降では精巣炎により不妊の原因になることがあります。
1歳から接種。日本小児科学会では1歳~1歳半と5~6歳の2回接種を推奨しています。
HPVは子宮頸がんの発生に関わるウイルスです。
子宮頸がんは年間1万人が罹患し、約2800人が死亡しています。17歳になる前にHPVワクチンを接種すると、子宮頸がんになるリスクが88%低下するという報告があります。また、17~30歳でHPVワクチンを接種しても、53%のリスク低下が期待できるとされています。
小学校6年から高校1年相当の女児が定期接種の対象ですが、1997年4月2日から2007年4月1日の女性もキャッチアップ接種の対象になります。
「同時接種」とは、2種類以上の予防接種を同時に同じ接種者に対して行うことです。複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンによる副反応の割合は増えることはありません。同時接種をすることで、より早期にワクチンを接種することができる、クリニックに行く回数が減る、などのメリットがあります。
37.5℃以上の発熱がある場合や明らかに具合が悪い場合は、接種ができません。咳や鼻水などがみられる場合でも、症状が軽度で、診察で問題がなければ接種できます。
38度以上の発熱が出た場合は、解熱後1~2週間あけて接種を推奨しています。
接種当日は、激しい運動を避けてください。お風呂は接種後2時間以降は大丈夫です。
ワクチンの種類によって頻度は異なりますが、接種後に副反応として発熱することがあります。
38℃以内で半日~1日ほどで解熱することが多いです。長引く場合や症状が心配な場合はご相談ください。
トップへ